つまようじ法の効果

症例

つまようじ法を行うと歯垢が効果的に取り除けるとともに、歯と歯の間の歯ぐきが強くなります(マッサージ効果)。下の症例は初診の状態では歯槽膿漏の症状があらわれていますが、つまようじ法によるブラッシング治療などをおこなってかなり症状が改善した例です。(資料提供/岡山大学歯学部予防歯科学講座)

初診の状態 48歳・女性


症状
・歯ぐきが腫れてブヨブヨしている
・歯ぐきから膿が出る
・歯ぐきから出血する
・口臭がある

ブラッシング1ヵ月後の状態

症状
・歯ぐきがひきしまった
・出血や膿がなくなった
・歯ぐきの色が健康的なうすいピンク色になった
・口臭がなくなりスッキリした

歯のぐらつき(動揺度)が改善

 動揺歯(ぐらつきがある歯)のある歯周病の患者さん20人に専門家によるつまようじ法ブラッシングと、ブラッシング指導を行いました。

そうすると、初診時に横から平均101gの力で押すと同様し始めていた歯が、2週間後には141g、8週間後には157gの力までかけないと動かないくらいにしっかりしてきました。

また、2週間後には74%の動揺歯に改善傾向が見られました。動揺が改善すれば、歯周病で歯を抜く必要がなくなります。


表:つまようじ法による動揺の改善

口臭の改善

 初診時から平均7回の来院(専門家によるつまようじ法ブラッシングの実施)で、全員が側にいても口臭を感じない100ppb以下のレベルに下がりました。

 対象者の口にストローを入れて、口臭の原因とされる揮発性硫黄化合物の濃度を測定したところ、13人の初診時の濃度は平均で250.2ppb(1ppbは10億分の1)でしたが、治療後は平均59.0ppbと約4分の1にダウン。全員が側にいても口臭を感じない100ppb以下のレベルに下がり、中には1,100ppbから60ppb程度にまで激減した例もありました。


グラフ:口臭測定器の値の変化

歯ブラシ1本で手軽に歯周病が改善できる!

歯間ブラシやフロスは面倒で、長続きしないという方も多いはず。V-7歯ブラシによるつまようじ法ブラッシングを行えば、そんな悩みも解決。歯ブラシ1本で歯の表面から歯と歯の間のすみずみまでブラッシング。さらにマッサージ効果で歯ぐきが強くなります。

ブイセブン1本でつまようじ法ブラッシングを行うことが、歯ブラシとフロスを用いた通常のブラッシングよりも、短期間で改善できることが臨床データからも実証されています。

歯ブラシとフロスを要した通常のブラッシングよりもブイセブン1本でつまようじ法を行った方が短期間で改善できる!!


表:つまようじ法とバス法+フロス併用との比較


グラフ:つまようじ法と初診時全顎感染源除去法との比較

ブラッシングのマッサージ効果

歯周病には歯垢除去よりもブラッシングのマッサージが有効

 歯磨きをするとマッサージ効果があると言われますが、具体的にどのような効果があるのでしょうか。 それを調べるため、イヌの歯肉(歯ぐき)で実験を行いました。イヌの歯肉の一方を毎日歯磨きし、反対側の歯は(歯ぐきには当たらないようにして)徹底的に歯垢・歯石除去しました。1週間後、ブラッシング側の細胞は歯垢・歯石除去に比べ2倍くらいたくさんの細胞が増殖していました。また、炎症性細胞の数も5週間で半分に減っていました。このことから、歯周病には歯垢除去よりもブラッシングによるマッサージ効果が有効であることが分かりました。


図1:歯垢除去をした部位とブラッシングした部位との組織比較)

また、同じようにイヌの歯肉で実験したところ、ブラッシングのマッサージ効果は約200gの力で10秒から20秒で一番高くなります。適度なブラッシング圧と時間により、マッサージ効果が高まると考えられます。


図2:効果的なブラッシングの力と時間

さらに、その効果は毛先が当たっているところから0.5ミリまでであることが分かりました。


図3:ブラッシングの波及効果

つまり、マッサージ効果は歯ブラシの毛先が当たっているところに限られると考えられます。歯の表面をなぞるようなブラッシングでは歯間部の歯ぐきへのマッサージ効果は得られません。「つまようじ法」ブラッシングによって歯間部の歯ぐきまで歯ブラシの毛先で刺激することが効果的です。